粟生線の旅は神鉄一の規模を誇る鈴蘭台駅から始まります。
鈴蘭台駅を出発するといきなり左へカーブしながら50‰の急勾配を登ります。
小部トンネルを抜ければ鈴蘭台西口駅に到着。駅構内に50‰の勾配標があり、線路が駅構内で馬の背のように反っている珍しい駅です。また、粟生線内で最も標高が高い駅でもあります
その次の西鈴蘭台駅は粟生線で最も新しい駅です。駅周辺にはニュータウンが広がり、多くの乗客がここで乗降します。
日中1時間に2本がこの駅で折り返します。
2駅間続いた単線区間も一旦終わりここからは複線となります。
藍那駅を出発すると左側に折り返し線が見えます。これは一部の西鈴蘭台発着の列車が使用している折り返し設備です。
なお、その先左手に見える廃トンネルはかつて使用されていたもので、現在の藍那トンネルは複線化事業で建設されたものです。
しばらく森の中を進むと、列車は川池信号場に差し掛かります。ここから比較的長めの複線区間となります。このポイントはダイヤ作成上でネックとなっているため、藍那~川池信号場間の複線化工事が継続中ですが長らく進展はありません。
複線区間をしばらく行くと木津駅に到着。神戸総合産業団地に面しています。また、サントリーレディスオープン(ゴルフ)開催時には駅前にシャトルバスが発着します。
木津駅を出発するとすぐに右手に小屋が見えます。これは見津信号場で、奥に見える見津車庫の出入庫のために機能しています。設置された当時は見津信号場以東が複線だったため現在の川池信号場のような機能も果たしていました。
木幡駅から志染駅までは県道22号線と並んでいて住宅も多くなります。(写真は栄・押部谷間)
栄駅付近では駅南西にニュータウンが広がっていて、現在も少しずつではありますが広がりを見せています。
栄〜押部谷駅間は比較的高規格な複線区間が続きますが押部谷駅から先は全区間単線となります。
押部谷駅を出発すると50‰の急勾配を駆け上がり三木市へ。
立ち並ぶ住宅や飲食店を横目に進むと、右側に一線線路が見えてきます。
これは留置線で2編成8両まで停車可能です。
土休日ダイヤでは4両1編成が終日留置されています。
さらに下り三木上の丸駅へ。
「三木の干殺し」の舞台として有名な三木城址のそばにあり、副駅名にもなっています。
駅舎はとてもレトロな建物で、ホームの屋根にもレールが使われていたりします。
隣の恵比須駅とともに市役所、図書館などの多くの市の施設の最寄り駅とされています。
三木上の丸駅を出発すると、列車は車体を大きく傾けながら美嚢(みのう)川を渡ります。
この美嚢川橋梁はただでさえ珍しい「カーブしている橋」、「勾配がある橋」という特徴を両方兼ね備えています。
美嚢川を渡ると三木駅。
4両編成に対応した際に1・2番線ホームが分断されました。
日中1時間に1本がこの駅で折り返します。
また改札外の2番線(上り)ホーム裏には5000系を模したトイレが設置されています。
大村駅を出発すると登り、下りともに50‰の急勾配を有する峠(通称:大村坂、大村峠)を通過します。
土砂崩れの頻発する箇所でしたが、法面をコンクリートで覆うなどの対策が取られたため近年は土砂崩れも発生していません。
次の市場駅に到着する前に前方をよく見ると、右側にスペースがあります。
これは市場駅が1面2線だったころの名残です。現在はホームの4両編成対応工事で少し見えづらくなっています。
また、旧貨物線を活用して保線、車両搬入・搬出基地としても機能しています。
葉多駅を出発して田畑の間を行くと列車は加古川橋梁へ。
橋梁の粟生方には勾配がついており、橋梁を渡り切り粟生踏切にさしかかるあたりではなんと50‰にも達しています。
粟生踏切と、神鉄で最小半径(165m)のカーブを越えるとJR加古川線と並走し粟生駅に到着します。
JR西日本が所有する駅に乗り入れるような形での運行です。
スルッとKANSAIの導入による改札分離のため現在の新ホームが使用されています。