旧デ101号車は1929年製の車両です。
1971年の廃車後は入換車として活躍中しました。
神有電気鉄道(神戸電鉄の前身)が三田線を開業させた際に増備したデ101形のうちの1両。
有馬ヘルスセンター(現・有馬温泉 太閤の湯)での静態保存が決まっていたため800系・デヤ750形への更新改造の対象から外れたものの、保存計画自体が頓挫。単行運転が可能なことや、吊り掛け駆動特有の保守の容易さと低速域での性能をいかして構内入替車として使用されました。
老朽化によって1983年に大規模な改修が行われました。車外の大きな変更点は客用扉と一部側面窓の埋め込み、塗装変更などです。2015年に年度末での引退が発表され、神鉄トレインフェスティバル2015で引退記念の撮影会・運転が行われました。そして当初の予定通り、新型構内入替車にバトンタッチして引退しました。
1983年の大規模改修の際、客用設備の撤去などが行われ完全に入換車仕様となりました。
座席はすべて撤去され、床下機器が多数室内に移設されています。室内灯も蛍光灯に変更されており、かつて取り付けられていた白熱灯の台座が現在でも確認できます。
懐かしの「携帯電源オフ車両」。この車両が営業運転から退いたのは携帯電話がこの世に生まれる遥か昔。なぜ…
とてもシンプルな運転台。自走するために必要な最低限の機器のスイッチが並ぶ光景は鉄道技術の進歩を感じさせます。
パンタグラフを昇降させるための装置もアナログ。
トロリーポール全盛期にパンタグラフを採用したこの車両は少し時代を先取りした存在でした。