Writer:管理人
管理人が3連休で帰省していたので副管理人と一緒にドライブに行ってきました。昨年のトレフェス翌日に免許を取ったもんで…
今回の目的地は粟生線沿線から少し離れた、北播磨エリアです。
最初の目的地、播磨中央公園に到着。
第1駐車場に車を止めて歩道橋を渡ります。
綺麗なトラス橋。
実はこの橋、かつて葉多・粟生間で加古川に架かっていた橋なんです。
これは現在の加古川橋梁ですが、列車後方に写るトラス橋が2つあることがわかりますね。
1998年まではこの更に奥側にもう一つトラス橋がありました。
粟生線では粟生まで全線開通した1952年から1998年まで使用された後、2003年からは歩道橋として余生を送るこの橋。その歴史は明治時代まで遡ります。
なんとこの橋、明治時代にイギリスから輸入された後、茨城県の水戸線で使用されたものなんです。
ちなみに加古川橋梁に残る2つのトラス橋も明治時代にイギリスから輸入され、静岡県の東海道本線、長野県の大糸線を経てやって来た貴重な歴史の証人です。
この公園にはSLも展示されています。
このC56 135、なんとお召し仕様(予備機)。風格があります。
1972年にこの公園にやってきたようで、トラス橋の設置に合わせ2003年に再塗装されています。
屋外展示なので少し傷みもありますが、大切に保管されています。
※2023年6月追記:現在は播磨中央公園から大井川鐵道に移され、動態復元が行われている最中です。
続いて向かったのは西脇市市原町。
古くから紙で有名な杉原川の近くに市原駅跡があります。
西脇市の野村(現・西脇市)駅から多可町中区の鍛冶屋駅を結んでいた鍛冶屋線。JR西日本に継承された後、1990年に廃線になりました。
3セク転換が行われる予定でしたが、近隣の3セク転換線(三木鉄道・北条鉄道)の経営が芳しくないことからそのまま廃線になった悲しい路線です。
鍛冶屋線で活躍したキハ30 70+72が展示されていますが、残念ながら2010年にペイントされているためオリジナルの塗装ではありません。
しかしながら横に展示されている腕木式信号機の状態は良好。赤色もあまり褪色していません。
最後に訪れたのは多可郡多可町中区にある鍛冶屋駅跡。
こちらは現役当時の加古川線塗装でキハ30 69が展示されています。
私が以前訪れた10年前から特に再塗装などはされていないようです。
珍しい通勤型気動車。
外吊りの両開き扉がかっこいいですね…
鍛冶屋線はその役目を神姫バスに譲っています。
かつては野村駅の隣にある西脇駅が市の中心駅でしたが、廃線に伴い隣の野村駅が中心駅になり駅名も西脇市へ変更されました。
西脇に住む友人は西脇市駅のことを「市駅」と呼んでいますが、それはきっと鍛冶屋線があった名残なんでしょうね。
このサイトでもすでにご紹介したかもしれませんが…
実は最近まで粟生線にも鍛冶屋線の名残が残っていたんです。
三木駅下りホームにあった看板。
「国鉄」「鍛冶屋」の文字を白いペンキで塗りつぶした跡が見えます。
この看板は昨年の火災の被害には遭いませんでしたが、現在は取り外されています。
播磨中央公園は小野市のお隣、加東市にあります。
電車では粟生駅で加古川線、西脇市・谷川行きの列車に乗り換えて滝野駅で下車。
神姫バスでは西脇方面行きのバスに乗り、滝野町農協前バス停で下車。
どちらからも2キロほど離れています。
西脇市駅から神姫グリーンバスもしくは多可町コミュニティバス「のぎくバス」に乗車、市原バス停、鍛冶屋バス停下車すぐ。
※山口行きのぎくバス・多可高校口行きは鍛冶屋を通らないので注意が必要です。
今回驚いたのはずっと遠くに感じていた北播磨の北部に位置するエリアも意外と短時間で散策できるということ。
今回のルートでそれぞれのスポットをじっくり楽しんでも三木から往復4時間程度。
この日も夕方からは粟生線沿線を一人で散歩できたのでなかなか良い一日でした。
さて、今回参考にさせていただいたサイトは
http://library.jsce.or.jp/jsce/open/00035/2003/58-1/58-1-0715.pdf
(加古川橋梁の経緯がとても詳細に書かれていてすごい!)
https://hardcandy.exblog.jp/16081726/
(粟生線だけでなく神戸電鉄全体の橋梁について紹介されています。普段何気なく見ている橋がこんなにすごいものとは思わなかったです…)
です。